パートナーわんこ・蘇芳(すおう)と真赭(ますほ)は、ドッグフードからわたしが毎日作るわんごはんに移行したのが2013年の頃。
今までもわんごはんについて質問をいただいたり、思うことを綴ってきたけれど、栄養バランスの疑問をいただいたので、改めてわたしの考えをまとめてみました。

レッスンでもお話しているけれど、これだけ食べていればすべての栄養が摂れて大丈夫!という食べ物は存在しません。
そんな食べ物があったら、まずわたしたち人の世界でがんがん流通すると思うのだけど…わたしはまだ見たことがありません。
(1日に必要なビタミンの3分の1がとれます!といったものはある。でも、これだけじゃ足りてない)
ドッグフード(キャットフードも)は、原材料の欄にいわゆる食材名からビタミン、ミネラル、そして保存料をはじめとする添加物までたくさんの記述があって、記述がたくさんあることで「こんなにも入ってるならバランスが取れるに違いない」と思いがち。
でも、実はそうじゃない。
原材料欄は、「あくまでも原材料としてこれだけ使っています」ということ。
完成品に、これだけの栄養素が入っていることを保証しますということではない。
わたしもこれを知った時はびっくりしました。え、違うの?!って。
元々、ドッグフード=総合栄養食品の図式には疑問があったので、これを聞いてさらに「ううーん…」となったのは言うまでもなく。
各メーカー、手軽にカロリー計算ができて必須栄養素が取れる!と謳われているシリアルなども開発・発売されているけれど、これだけを1日3食(あるいは2食)365日食べ続ける…ことは、いくらフレーバーが多くても現実的ではないと思っています。
効率的に栄養を摂取できればそれだけでいい、と言う人はそれでもいいかもしれません。
でも、食事って何を食べるか、誰と食べるか、どこで食べるか、も含めて食事。
体に必要な栄養素を摂ることはもちろん、心も満たしてくれる食事を心がけたいと考えます。
では、わんごはんは?というと。
蘇芳(すおう)と真赭(ますほ)、纁(そい)が毎日食べているわんごはんを例にすると、材料は季節の食材を中心にお肉・お魚・野菜類・豆類・穀物類…と使っています。
そして、どの食材もひとつの栄養素だけなく、解明されていない栄養素も含め様々な栄養素を持っています。
もちろん、食材によっては含まれていない栄養素もあるので、そこは含んでいる別の食材でカバーしていきます。
これって、わたしたち人が小さい頃から言われてきた「バランスよくいろんなものを食べましょう」とイコール。

よくビタミン、ミネラルが不足すると言われたりもしますが、バランスよくいろんな食材を摂っていたらある程度はカバーできます。
それでも不足が心配ならサプリメントを併用することを考えても良いけれど、サプリも加工品には変わりはないので、できるだけ食材から摂れる方がいいな、と個人的には考えます。
どうしても食材では補えない栄養素を摂るためにサプリメントという手段はありつつも、できるだけ食材から摂ると考えると、なるべく栄養価の高い食材を使いたい。
農薬や肥料を必要最低限の量として露地栽培しているお野菜とか、旬のお魚とか、果物とか。
お肉もできれば、人工飼料やストレスが少ない環境で飼育されたお肉がいい。
…そうはいっても、そこまでこだわっていると食材揃えるのが大変になってしまうので、ごくごく普通のスーパーで買える食材で基本的には問題ありません。
選択する余地があって、お財布にも影響がないなら、良いものを選ぶ。
それくらいの気持ちでOK。
がっちがちに「有機じゃないと!」「オーガニックじゃないと!」という思考は必要ありません。
なぜなら、有機JASやオーガニック認証がついていないから粗悪なもの、とは一概に断言できないから。
今、我が家と同じように手作りをしていて、そのごはんに入っている栄養はどれくらいなのかな?と思ったら、食品成分表から今日使った食材にどんな栄養素が含まれているのか、チェックしてみるといいかもしれません。
細かく単位までみなくてもいいから、どんな栄養素が入っているのかを見てみると、思った以上に偏ってる!となったり、意外とバランス良かった!なんてことがわかります。
もし、栄養素をチェックしてみて偏ってるとわかったら、足りてない栄養素が含まれる食材を次の日のごはんから取り入れていけばOK。
1日で完璧にするんじゃなくて、1週間、1ヶ月スパンで考えていくと気持ちも楽になります。
わたしたち人だって、毎日の食事がいつも100%バランスが摂れている!ということはまずない。
ご自分の食生活を振り返ったら、それはきっとわかること。
今日は忙しくてコンビニごはんだったから、明日は食材にこだわったお店でランチにしよう、とか。
この週末は飲み会続きで食べ過ぎてもいるから、しばらく節制しよう、とか。
基本の考え方は同じ。
そう思ったら、少しは楽になる。
そして、栄養素が足りてない!と眉間にしわ寄せてわんごはんは作らないでほしい。
そうやって作ったごはんは美味しくないから。
せっかくわんごはんを作るなら、パートナーわんこには「美味しい」って食べてもらいたい。
そのためには、作るわたしたちが頑張って作らなきゃ、栄養バランス考えなきゃって肩に力が入っていない方がいい。
「今日のごはんも美味しいよ♪」って、鼻歌気分でパートナーわんこのためにごはんを作ってあげて欲しいと思います。


